御堂筋くんと山口くんの短文ばっかり。
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「山口くぅんまで、ボクゥを見棄てるんやぁ」
いつもの。俺を蔑んだような眼が。全く想ってもないようなことを、俺に、言う。
俺が、御堂筋…くん、を見捨てるとも思ってへんし。もしそれが本当やって、全然構んような。寧ろそれを望んどるような口調。
ていうか、お前がそれを言うかて感じやな。インハイで俺を、俺等をあっさりと見捨てて切ったのはお前のほうやのに。
もう、呆れもはても尽き果てた。怒るより先に呆れてもうて、思わず苦笑する。と、少しだけ嫌そうに、御堂筋くんが眉を寄せる。…ああ、お望みの反応やなかったってことか。でもなあ、俺かってお前の望む反応なんて、分からんからね。
せやから。
「…見捨てへんよ」
返しながら、手を伸ばす。キモ、と振り払われると思った俺の指は、存外あっさりと、彼に受け入れられた。伸びかけの髪が、指にこそばゆい。
ゆっくり撫ぜると、眼を細めてにやりと笑った。馬鹿にしとるんか、やっぱり蔑まれてんのか、それとも。…思いかけた言葉を、出てくる前に飲み込んだ。そんなん、ある訳もない。
「キモ」
キモーイわぁー、山口くぅーん。いつもの口調で、御堂筋くんが歌うように言う。一層のこと楽しそうに。それでいて、やっぱりと振り払われへん俺の、指。
見捨てられたらええのかなあ。不意に浮かんだ言葉は、打ち消す前に勝手に消えていく。…せやって、そんなんもある訳ない。
確かに、今までの京伏は壊されたんやろう。彼に。そらもう完膚なきまでに、粉々に。
そんでも、それは俺等の責任や。勝たれへんかった俺ら。御堂筋くんの独裁に、そんでもすがるしかなかった、俺等。
…ええチームや、って石垣さんは笑っとった。ほんまは分からん。今の俺等が、どうなんかも。
そんでも。…やっぱり。
「仲間やからね」
ぽつり、とつぶやいた言葉は。今度こそ、御堂筋くんの、いつもの言葉に。一蹴されて、砕けて消えた。
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